平成30年度 宅建 問5(権利関係)
出典:平成30年度 宅地建物取引士資格試験 問5(一般財団法人 不動産適正取引推進機構)
- 1Aは、Bに対して、特段の事情がない限り、B宅の屋根を修理したことについて報酬を請求することができない。
- 2Aは、Bからの請求があったときには、いつでも、本件事務処理の状況をBに報告しなければならない。
- 3Aは、B宅の屋根を善良な管理者の注意をもって修理しなければならない。
- 4AによるB宅の屋根の修理が、Bの意思に反することなく行われた場合、AはBに対し、Aが支出した有益な費用全額の償還を請求することができる。
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正解:3
選択肢1:根拠はこうなっている。
義務なく他人のために事務の管理を始めた者(以下この章において「管理者」という。)は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理(以下「事務管理」という。)をしなければならない。
管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができる。
この記述は正しい。
事務管理について管理者が請求できるのは、本人のために支出した有益な費用の償還などであり、報酬を請求することができる旨の規定はない。Aは、特段の事情がない限り、屋根を修理したことについて報酬を請求することはできない。
選択肢2:根拠はこうなっている。
第六百四十五条から第六百四十七条までの規定は、事務管理について準用する。
受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。
この記述は正しい。
事務管理には受任者による報告の規定が準用されるので、Aは、Bの請求があるときは、いつでも事務処理の状況を報告しなければならない。
選択肢3:根拠はこうなっている。
管理者は、本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは、悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。
この記述は誤りである。
本人の財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたとき(緊急事務管理)は、管理者は、悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。台風による甚大な被害の差し迫ったおそれがあったので、Aの注意義務は軽減されており、善良な管理者の注意をもって修理しなければならないわけではない。
選択肢4:根拠はこうなっている。
管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができる。
管理者が本人の意思に反して事務管理をしたときは、本人が現に利益を受けている限度においてのみ、前二項の規定を適用する。
この記述は正しい。
管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、その償還を請求することができる。本人の意思に反して事務管理をしたときは本人が現に利益を受けている限度に限られるが、Bの意思に反することなく行われた本件では、有益な費用全額の償還を請求することができる。
以上から、正解は選択肢3である。