令和3年度(10月) 宅建 問12(権利関係)
出典:令和3年度(10月) 宅地建物取引士資格試験 問12(一般財団法人 不動産適正取引推進機構)
- 1本件契約について期間の定めをしなかった場合、AはBに対して、いつでも解約の申入れをすることができ、本件契約は、解約の申入れの日から3月を経過することによって終了する。
- 2甲建物がBに引き渡された後、甲建物の所有権がAからCに移転した場合、本件契約の敷金は、他に特段の合意がない限り、BのAに対する未払賃料債務に充当され、残額がCに承継される。
- 3甲建物が適法にBからDに転貸されている場合、AがDに対して本件契約が期間満了によって終了する旨の通知をしたときは、建物の転貸借は、その通知がされた日から3月を経過することによって終了する。
- 4本件契約が借地借家法第38条の定期建物賃貸借契約で、期間を5年、契約の更新がない旨を定めた場合、Aは、期間満了の1年前から6月前までの間に、Bに対し賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、従前の契約と同一条件で契約を更新したものとみなされる。
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正解:2
選択肢1:根拠はこうなっている。
建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から六月を経過することによって終了する。
建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。
この記述は誤りである。
建物の賃貸人が解約の申入れをした場合、賃貸借は解約の申入れの日から6月を経過することによって終了する(民法617条の3月ではない)。賃貸人の解約の申入れには正当の事由も必要であり、いつでもできるわけではない。
選択肢2:根拠はこうなっている。
前条、借地借家法(平成三年法律第九十号)第十条又は第三十一条その他の法令の規定による賃貸借の対抗要件を備えた場合において、その不動産が譲渡されたときは、その不動産の賃貸人たる地位は、その譲受人に移転する。
第一項又は第二項後段の規定により賃貸人たる地位が譲受人又はその承継人に移転したときは、第六百八条の規定による費用の償還に係る債務及び第六百二十二条の二第一項の規定による同項に規定する敷金の返還に係る債務は、譲受人又はその承継人が承継する。
建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる。
建物賃貸借契約において、建物の所有権移転に伴い賃貸人たる地位に承継があった場合には、旧賃貸人に差し入れられた敷金は、未払賃料債務があればこれに当然充当され、残額についてその権利義務関係が新賃貸人に承継される。
出典:https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-54132.pdf
この記述は正しい。
引渡しを受けた建物賃借人の賃借権は対抗力を持つので、甲建物の所有権がCに移転すると、賃貸人の地位はCに移転し、敷金の返還債務もCが承継する。判例は、旧賃貸人Aに対する未払賃料債務があれば敷金は当然これに充当され、残額が新賃貸人Cに承継されるとしている。
選択肢3:根拠はこうなっている。
建物の転貸借がされている場合において、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときは、建物の賃貸人は、建物の転借人にその旨の通知をしなければ、その終了を建物の転借人に対抗することができない。
建物の賃貸人が前項の通知をしたときは、建物の転貸借は、その通知がされた日から六月を経過することによって終了する。
この記述は誤りである。
期間満了により賃貸借が終了する旨の通知を転借人Dにしたときは、転貸借は、通知がされた日から6月を経過することによって終了する。3月ではない。
選択肢4:根拠はこうなっている。
第一項の規定による建物の賃貸借において、期間が一年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の一年前から六月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から六月を経過した後は、この限りでない。
この記述は誤りである。
期間が1年以上の定期建物賃貸借で、通知期間内に終了の通知をしなかった場合は、賃貸人は期間満了による終了を賃借人に対抗することができない(通知期間の経過後に通知をすれば、その日から6月を経過した後は対抗できる)。従前の契約と同一条件で更新したものとみなされるわけではない。
以上から、正解は選択肢2である。