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令和5年度 宅建 問6(権利関係)

出典:令和5年度 宅地建物取引士資格試験 問6(一般財団法人 不動産適正取引推進機構)

A所有の甲土地について、Bが所有の意思をもって平穏にかつ公然と時効取得に必要な期間占有を継続した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはいくつあるか。  ア AがCに対して甲土地を売却し、Cが所有権移転登記を備えた後にBの取得時効が完成した場合には、Bは登記を備えていなくても、甲土地の所有権の時効取得をCに対抗することができる。  イ Bの取得時効が完成した後に、AがDに対して甲土地を売却しDが所有権移転登記を備え、Bが、Dの登記の日から所有の意思をもって平穏にかつ公然と時効取得に必要な期間占有を継続した場合、所有権移転登記を備えていなくても、甲土地の所有権の時効取得をDに対抗することができる。  ウ Bの取得時効完成後、Bへの所有権移転登記がなされないままEがAを債務者として甲土地にAから抵当権の設定を受けて抵当権設定登記をした場合において、Bがその後引き続き所有の意思をもって平穏にかつ公然と時効取得に必要な期間占有を継続した場合、特段の事情がない限り、再度の時効取得により、Bは甲土地の所有権を取得し、Eの抵当権は消滅する。
  1. 1一つ
  2. 2二つ
  3. 3三つ
  4. 4なし
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正解:3

ア:根拠はこうなっている。

→ 民法第百六十二条

二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。

2

十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。

→ 民法第百七十七条

不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

→ 判例(最高裁判所昭和41年11月22日判決)

不動産の時効取得者は、取得時効の進行中に原権利者から当該不動産の譲渡を受けその旨の移転登記を経由した者に対しては、登記がなくても、時効による所有権の取得を主張することができる。

出典:https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-53871.pdf

この記述は正しい。

Cは、Bの取得時効が完成する前に甲土地を取得して登記を備えた者である。Bは、登記がなくても、時効取得をCに対抗することができる。

イ:根拠はこうなっている。

→ 民法第百六十二条

二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。

2

十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。

→ 民法第百七十七条

不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

→ 判例(最高裁判所昭和36年7月20日判決)

不動産の取得時効が完成しても、その登記がなければ、その後に所有権取得登記を経由した第三者に対しては時効による権利の取得を対抗しえないが、第三者の右登記後に占有者がなお引続き時効取得に要する期間占有を継続した場合には、その第三者に対し、登記を経由しなくとも時効取得をもつて対抗しうる。

出典:https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-52985.pdf

この記述は正しい。

時効完成後に登記を備えたDに対しては、Bはそのままでは時効取得を対抗できない。しかし、Dの登記の日から改めて時効取得に必要な期間占有を継続したので、Bは登記がなくても時効取得をDに対抗することができる。

ウ:根拠はこうなっている。

→ 民法第百六十二条

二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。

2

十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。

→ 判例(最高裁判所平成24年3月16日判決)

不動産の取得時効の完成後、所有権移転登記がされることのないまま、第三者が原所有者から抵当権の設定を受けて抵当権設定登記を了した場合において、上記不動産の時効取得者である占有者が、その後引き続き時効取得に必要な期間占有を継続し、その期間の経過後に取得時効を援用したときは、上記占有者が上記抵当権の存在を容認していたなど抵当権の消滅を妨げる特段の事情がない限り、上記占有者が、上記不動産を時効取得する結果、上記抵当権は消滅する。

出典:https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-82128.pdf

この記述は正しい。

Eの抵当権設定登記の後も、Bが時効取得に必要な期間占有を継続したので、特段の事情がない限り、Bは再度の時効取得により甲土地の所有権を取得し、Eの抵当権は消滅する。

以上から、正しいものはア、イ、ウの3つであり、正解は選択肢3である。

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